アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

和田唯奈 絵本原画展 「ぽっかりちゃん」。2019.3.11~3.24。B.Esta337

f:id:artaudience:20220311111824j:plain

和田唯奈 絵本原画展 「ぽっかりちゃん」。2019.3.11~3.24。B.Esta337

2019年3月23日。 

 一度行って、分かりにくい場所なのは知っていた。原画展、というイメージが、基本的には印刷物優先のものなので、壁にそんなに大きくない絵が額に入ってならんでいる、というもので、それだったら行かなくてもいいかな、と思ったのだけど、ツイッターを見ていて、展示に関して、作家が悩み、どうにかしないと、という言葉のあと、新芸術学校の同期でもある弓指寛治氏に、コンサルテーションを受け、一晩で設置を変えたら、よくなった、という言葉を見て、出かけようと思った。

 

 今日、2軒目のギャラリー。御徒町から歩いて、また少し迷って、それでも着いたら、先にお客さんがいて、それも作家との知り合いであるらしく、がっつりと話を続けていて、でも、絵本の朗読を作家本人が行っている録音を聞きながら、絵を見ていった。もう最初から原画展と言っても、個展だった。絵が、この前見たように、大きかった。小さい額はなく、絵がキラキラしていた。

 

 無意識、うんぬんというインタビューの言葉があったのも、見に行かないと、という気持ちにもさせたが、一階から、階段をあがって、2階まで、絵が並んでいて、ちみつで、きらきらとなめらかだけど、どろどろともしていて、よかった。2階で絵を見ながら、もう一度下に行く。朗読抜きで、もう一度見ていいですか?どうぞ、ゆっくり見てください、と言われ、先ほどの観客の方の話はまだ続いていた。

 

 最後の方、いつもは人物像の瞳に人工宝石みたいなものがはりつけられているのに、絵の具だけになっているのに、瞳が奈良美智といってもいいようなきらめきと深みもあって、当たり前だけど、描ける人なんだ、と改めて思う。

 

 下に行き、展示方法を変えた話を聞いて、かなり大胆に、位置とか照明とかを変えた話を聴き、教えた方もすごいけど、聞いた方もすごいと思ったといったことを話す。帰りは、絵本を買ったら、サインもしてくれて、特性の紙袋にも入れてくれた。得した気持ちになれたし、誠実な姿勢に、こちらも支えられた気持ちになった。

 

(2019年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.amazon.co.jp