2014年9月26日。
カンヌ映画祭でグランプリをとった映画ということで興味を持って、見たいと思っていて、今日が最終日で、どうしようか、と思っていたけど、妻と相談してでかけさせてもらうことにした。
キネカ大森は、何度か通った。
着いたら、もう開場していて、人が3分の一くらいは入っていた。意外といた。前に女性が座っていて、変に姿勢がいいから、頭が邪魔だなあ、というような事を思った。揺れる。
映画が始まる。
顔のアップ。1人の若い高校生の役の顔のアップ。信じられないくらい、それだけで時間が過ぎて行く。ずっと顔のアップなのに、だんだん引きこまれるのは、やっぱり若い女性だから見ていられる、ということなのだろうか、ただ、表情がものすごく豊かだった。だから、ずっと見ていられる。3時間の映画だから、途中でトイレにも行った。
不思議な印象だった。
帰って来て、評論家の町山氏の解説を聞いた。反響があったのは、セックスシーンで、性器まで大写しになったり(ただ、それはプラスチックみたいなもので作ったらしのだけど)というようなことだったが、その不思議さは、何しろアップだけで3時間という事を言っていて、それに加えて、アデルというのは、主演の女優の本名に合わせて役名まで変えた。その方がリアルになるから。そして、3時間の映画に800時間も撮影して、それも、だいたいのシーンのストーリーはあるけど、あとは本人達に任せる、というようなやりかたをしていて、それは、町山氏が言うには、心の中まで全部出すようなやりかたで、ぼろぼろになり、もう2度とやりたくない、というような方法らしく、それは納得がいった。
さらには、かなり計算された画面でもあり、どの場面にも青が入っている、という事はそこまでは気がつかなかった。
作品だけでなく、主演女優の二人も、最高賞パルム・ドール賞を受賞したというから、それは、報われたということなのだろう。