アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

演劇集団ア・ラ・プラス第13回公演。「かもめ」。2016.8.1~8.7。東京・下北沢 東演パラータ。

 

 

2016年8月2日。

 以前、近所にあって、時々通っていたカフェが代官山に移り、時々、連絡をもらったりして、その女性のパートナーが演劇をしていて、たまに誘われて、ずいぶんと前に一度行った。それは小さな地下の演劇の空間で、こんなところにあるのか、といった感じの場所で、そこで見て、あきずに見られた。それから、今思い出したけど、新人さん達の演劇なのに、短いドラマがたくさんあって、その演出のクレバーさに感心もして、手紙を書いたりしたこともあったのだけど、それをすっかり忘れていて、それはそうと、今回は、平田オリザ、ケラリーノ、と演劇が続いた時に、ちょうどまた演劇をするのを知って、申し込んだ。ちょっと楽しみだったのは、ここのところしばらく演劇を見ていたせいもあるし、チェーホフという基本的な(といっても、恥ずかしながら、自分はみたことがない)戯曲を演じる、ということもあった。

 

 下北沢の駅から15分という距離で、降りて、歩いて、アンゼリカというパン屋が最初の目印だったけど、今日は閉まっていて、それでも合っているんだと思えて、それから、この道歩いたことがある、と思ったのは、たぶん小さい映画館に来た時に、ここを通ったと思ったのだけど、そこを通り過ぎると、急激に何も店もなくなり、早めに出てきて、途中で食事をして、と思っていたのが、それよりもさらに住宅だけになってきて、あれ、これで合っているのかな?と思う頃に目印の遊歩道が近くなり、そこを抜けると、ちょっと淋しい道路をわたって、急にそれらしき建物があって、人が並んでいて、道路に机を出して受付をしていて、隣のカフェがあって、と思ったら、名前を呼ばれた。

 時々行っていたカフェのオーナーの女性で、覚えていてくれて、ありがたいと思ったが、このカフェのツイッターを通して、という伝え方をしていたら、お菓子をくれる、ということで、もらった。少し世間話をした。久しぶりだった。なんだか少しうれしかった。妻のことも覚えていてくれて、さらには、ベオグラードに行く、という話をして、友人がそこにいる話を少しした。

 

 それから劇場へ。狭いけど、イスもあって、それほどきゅうくつではない。トイレに行って、着替えた。時間になってから始まる。大きいテーブルが舞台いっぱいになっていて、向こう側と、テーブルの上が舞台として、どちらでも演技をしている。時々、大げさに思える動作もあるものの、だけど、見ていて、ひきこまれるところもあり、舞台の変換も暗くして、でも工夫をして、その動きさえも演劇として成り立たせている感じもあって、工夫もあって、そして、おそらくは、演出の方だと思える人が通路をはさんで隣に座っていて、暗い中で、時々、メモをとっている。何を書いているのだろう。

 

 すぐ隣の通路や、外や、空間もめいいぱい使って、人名がロシアの名前だから、どうしても抵抗があったが、水着になったり、水がけっこう使われたりと、いろいろな変化があって、あきないような工夫もあったし、途中でちょっと眠くなった時もあったけど、興味を持ってみる事が出来た。

 

 かもめ、をちゃんと読んでみようと思った。工夫や斬新さが、そうしないと、分からないだろうから、と思った。

 

 

 

 

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