アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画「百円の恋」。2015.6.4。キネカ大森。

映画「百円の恋」。2015.6.4。キネカ大森。

2015年6月4日。

 ついこの前、この映画館で映画を見た時にやっていた予告編を見た。

 それで見たくなって、当日は、牛丼を食べたりして、キネカ大森に行く。この映画館の、こじんまりしていて、だけど、こぎれいにしていて、なんだか映画を見る気にさせる雰囲気は、かなり好きかもしれない、などと思っていて、開始を待った。

 

 一人客ばかりだった。年齢層もわりと高めだけど、男女のバランスも同じくらいだった。一番後ろ。端っこの2つのイスしかない所に座った。最初はちょっと遠いかな、とも思ったが、そのうちに後ろに人がいないし、隣に人もいない、この席はいいかも、と感じていた。

 

 映画の最初は、どうしようもない毎日の描写だった。主演の安藤さくらが太っていた。おそらく、かなり体重も増やしていたと思う。その感じはよかったし、イライラしているのもよかったけど、でも、ふてくされかたが、ちょっと誰かが見ている、という感じにも見えてしまったし、その動きに対しての音楽が、ブルースみたいなもので、すごく古く思えてしまって、あまりにもはまりすぎて、やりすぎではないか、とも思ってしまった。

 

 主人公の周りに出てくる人達も、どうしようもない、という描き方が露骨というか、やりすぎというか、やさぐれ方が、ちょっと演劇的すぎるというか、時々、ついていけない感じとか、そして、主人公がいろいろとついてない感じとかも、もっと淡々と描いてくれれば、などと思っていたが、ただ、ボクシングを始めてからは、画面が変わった。
 

 音楽はとても良かったのに、その始まりのタイミングとか、主人公の周りとか、それは、時々、雑な感じがしてしまったけど、その戦おうとする姿勢みたいなものがすごくよかったし、本当に数秒を惜しむように練習している姿は、すごかった。

 

 試合も、痛そうだった。死んじゃうよ、と思えた感じが、リアルだったし、だけど、ダウンした時に、過去の負け続けたような風景が長過ぎたし、それならば、倒れた主人公の姿はもっと控えめに映した方がよかったし、そうえいえば試合の入場の時にスローモーションを使いすぎないで、もっとサラッとしてほしい、などと生意気にも、いろいろと思ったが、見終わったあとに、心の底を支えてもらっている気がした。主演した安藤さくらは、すごかった。

 

 

 

 

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「キネカ大森」ホームページ

https://ttcg.jp/cineka_omori/