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2014年7月1日。
この前も、キネカ大森に行ったばかりだったけど、そして、そこでどう生きていくか、みたいな事を感じさせてくれたりもして、気持ちがただ軽くなる、ということもなかったけど、見てよかったと思えた映画で、今回は、ホドロフスキーという、これまで自分は聞いたこともなかった監督の名前を知り、その映画の解説を聞いて見たくなった。
それも新作だったら、どこかの映画館でこれからやるかもしれないけれど、40年くらい前にカルトな人気を誇ったというような映画で、まずはなかなか上映しない、というような映画だったので見にいこうと思い、キネカ大森は、何回か行くことによって、なじみ感は出て来たと思う。
夕方に着いて、気持ちがあせっていたのは、今日は1日で映画の日で「混んでいるんではないか」と思っていたせいで、だから大森の駅で降りてすぐにエレベーターに乗って、5階に行って、チケットを買って、混んでる事を確認したら、そうでもありません、という答え。それでも映画の日だから、2本立てで1100円。というのはとてもありがたい。西友に行って買物をして戻って来て、開始に備える。
もしかしたら、この映画館で初めて1の会場。普通の映画館のように広いスクリーン。こじんまりとした、というよりは大きい観客席。ホッとして、ただ、前に大きい人がいないように席を探して、と思ったが、始まろうとする時に、2つ前の男性の髪型が妙に上になっていて、しかも変に姿勢がいいから、画面の下に髪の毛がかかり、だから自分も後ろを気にしつつも、まっすぐにして見ることになった。
最初は「ホーリー・マウンテン」。マシュー・バニーのような映像。そこに、生々しさを加えたような、意味ありげな映像で、どこか能楽のようなリズム。ストーリーは特になく、セリフもないまま時間が過ぎる。途中から、一応の筋書きが入って来て、その登場人物のありかたが、よくこんな妄想のようなものを形にしていくよなあ、と感心もし、この映画が40年前ということを思うと、当時は人気があったのも分かるような気がした。
最後は、これは映画だ、と登場人物がカメラをひかせて、スタッフも映る映像で終った。
次は、「エル・トポ」。これは、もう1970年だから、それこそウォーホールやミックジャガーが絶賛したというのが分かるような、ジョンレノンが気に入ったという話も分かるような、ただ、最初はかなり変則的だけど、西部劇っぽい展開だったのに、主人公が撃たれて(ただ途中で戦う相手が、撃たれてもダメージを受けない方法を手に入れていたらしいので)そこから目がさめてから、またまったく違う展開になった。見ていて、生きるむなしさ、を感じ続ける画面が続いた。どうしてだろう。
途中で、画面が止まった。最初は、こういう映画だから、何があってもおかしくないし、演出かと思ったら、故障だった。ちょっと巻き戻して、始まった。そうしたら再び同じ場面で止まって、場内にアナウンスが流れて照明がついたら、また動き始めた。
生きていることの意味のなさ、みたいな事を思った。
どうして生きているのだろう、そんな事を思うような映画だった。
この人の映画を、もっと見たくなった。
「アレハンドロ・ホドロフスキー」DVD-BOX