日常的にあるものを使って、そこに大げさでなく、さりげなく手を加えて、さらに、何気なくレイアウトすることによって、空間が少し変わっている。
ここのギャラリーでは二度目の個展だけれども、やっぱり新鮮だった。実は、難しいことだと思う。
『藤田は、鏡が太陽光を反射し壁に光が投影される、また強い風を瞳に受けると涙が出てくる、など淡々と生まれて消えてゆく世界や身体の営みなど、見過ごしてしまいそうなささやかな自然現象に優しくも鋭く確かな眼差しを注ぎ、個々の作品を呼応させ風景を作ってゆく作家です。
絹糸・木・ビーズ・紙・ガラスなどを用い、光や空気をより強く感じられるように幾何学形態や規則的な要素を取り入れ、作り上げられる造形。その1つ1つの作品は繊細さ、脆さ、か細さなどの印象を持ちますが、存在している外的状況をすばやく反映し、たえず無数のきらめきを生み出します』(チラシより)。
「藤田道子」サイト
「Hasu no hana」サイト
『現代美術史』 山本浩貴