アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「アフリカリミックス」。2006.5.27~8.31。森美術館。

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「アフリカリミックス」。2006.5.27~8.31。森美術館

 

2006年8月2日。

 エレベーターに乗って、52階まで来て、さらにエスカレーターで上にあがる。何回か来ていると、こういう新しめの場所は基本的には縁がない方なのに、小沢剛もここで個展をやったりしたし、草間弥生もあったし、なんとなく一方的になじみがあるところになっている。

 

 アイデンティティーと歴史。

 身体と魂。

 都市と大地。

 この分け方が、たぶん西洋的なのかもしれないと思いつつ、なんとなくハードそうな感じの展覧会の区分だった。

 ここの美術館はビルの中にあるため、けっこう、ややこしい作りになっていて、作品を見て回る時に、迷うというか、妙に落ち着きがない感じがしたりもする。そして、思ったよりも広い。

 

 いろいろな展示があった。

 ただ、天上近くから水が少しずつたれてきているだけの作品が、そこの小さな区切りに異様な空気を作っていた。

 じゅうたんがしいてあって、その上に動物の立体…でも、それはどんな動物かよく分からないし、人間っぽいし、なんだか重い気配を発しているし、それはジェーン・アレクサンダーの「アフリカの冒険」という作品で、南アフリカの「アパルトヘイト」のシンボルともいえる建物があるらしく、そこに展示されたらしい。意味は分からないが、何だかひきつけられた。

 マルレーネ・デュマスの絵は、ざわざわとした気持ちになり、やっぱりよく思えて、南アフリカの出身だと改めて思ったりもした。

 

 こういう作品を見たからといって、アフリカの現実…こういうくくり方が、無神経な気もするが…を分かるわけもないし、こうして作品を作っていく人が、おそらく西洋で美術教育を受けていたりするかもしれない、と思ったりもするが、でも、来てよかったと思う。

 

 六本木ヒルズでは、アフリカフェアと名付けられて、いろいろな催しをやっていた。この美術館の最大の欠点は、冷房がききすぎて寒いことだと思う。妻はホカロンを使っていたし、夏なのに何枚も上着を着た。私もウインドブレーカーを着て、ファスナーを首までしめていた。

 

 

(2006年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.mori.art.museum