アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「On paper. 大竹伸朗展」。2005.6.6~8.8。ベイスギャラリー。

2005年8月4日。

 月曜日と木曜日、義母をデイサービスに預かってもらい、迎えに行くまでの約5時間。自分が早く起きさえすれば⋯⋯といっても、それが凄くつらかったのが、少し余裕が出て来たせいか、それでも、出かけられる時に出かけよう、と思うようになった。

 

 それで、大竹伸朗のベイスギャラリーへ行きたいと思う。

 今週で終わりなので、今日、行くことにした。

 妻と一緒に、10時頃に出かける。暑い。それで、新川のギャラリーも行きたい、と思っていたのを、その暑さでやめて、ベイスギャラリーだけに行こうと、妻と短い話し合いで、決めた。

 

 地下鉄の駅についたら、ちょうど昼頃だった。財布だけを持った女性たちが、ちょっとオシャレそうな小さいトラックの弁当屋に並んでいる

 そこを過ぎて、すぐそばでウチワを配っている。暑い中で、笑顔で配っている。私たちにもくれた。新しいホテルだった。そのカドを曲がったら、大きなガラスのスペースがあって、そこがベイスギャラリーだった。

 

 大竹伸朗が、この20年間に、ある紙の種類に描き続けた作品が並んでいる。

 その年で、しばらく同じような傾向の絵が並んでいたりするが、でも、そういうことを思ったとしても、なんだかいい感じの絵が、やっぱり並んでいる。それを続けてきたし、それを続けていくし、これからも続けていくだろう、という感じが、すごくした。

 続けること。

 続けていくこと。

 もしかしたら、続けていくことだけが、力を貯え、力を伸ばし、そして成長だけにつながることで、続けることなく力を発揮することは、人間には不可能なんだろうな、というようなことを、そういうことにまで自然につながってくる。

 

 毎日、描くこと。

 それだけが可能性をつなぐ。

 それをやらなければ、絶対に力を伸ばすことが出来ないが、でも続けていっても、うまく行くとは限らない。

 そんな単純なことだけが、ホントのことで、それが生きていくことで、というようなことを、絵を見て、並んでいるのを見続けて、思ったのだった。

 

 そこで、Tシャツを売っていた。

 欲しいと思った。ガラスのそばにかかっている見本は、サイズが明らかに小さい。あきらめた。他のサイズもあるのを知って、ギャラリーの奥に声をかけると、けっこう感じのいい人が出てきて、大きいサイズのを見せてくれた。

 買った。貧乏な自分にとっては、ちょっと高いけど、大竹伸朗のTシャツが手に入ると嬉しかった。

 

 

(2005年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.basegallery.com