2000年12月20日
妻とケンカして、でも、一緒に出かけた。
ワタリウムに行く前に、表参道のロータスというカフェ、に行った。オシャレなところは柄でもないのは分かっているが、かっこいい所が前より好きになったし、最近そういう所も店員さんが愛想がいいし、おいしいわりに安いし、で結構満足した。心臓の病気になって、これから、アルコールを一切飲まないと決めたせいもあるかもしれない。
そこを出る頃には、妻とも仲直りした。
ワタリウムで、以前、ゲイリー・ヒルの作品を見たことがあった。人間の手が写っているが、微妙に震え、その感じが、ちょっとひりひりして、いい感じだった。ビデオアートによくある様々な映像が変わっていくものよりも、とてもリアルだった。それで覚えていた。
この日のワタリウムは、中へ入ると光りが閉ざされ、暗く、女性の悲鳴みたいなものが響いていた。一人では、かなり恐かったかもしれない。
壁にとても小さな何だか分からない像が少しずつ大きくなる。それは、こちらに向かって歩いてくる女性。そして、急に叫び始める。
後ろの壁には、丸い動き続ける光。一ケ所だけで、ピントが合って、その時だけ水平線が見える。
その上の3階では、ゲーリー・ヒルが壁にぶつかりながら何か喋っている像がパッパッと断続的に映る。その言葉と像と光りの微妙なずれが、おもしろい。
さらに、4階では机の前に座って何か動く男の両腕と頭の後ろの3ケ所からの映像が分割されて映っている。何で、じっと見てしまうんだろう?と思うくらい、しばらく見ていた。
他には、壁にその向かいの光景を写し出しながら、その部屋をずっと回り続ける機械があった。つまり映っている映像は、その対称の位置にあるもので、少し見ていると、おもしろい、と思えてくる。時々、その部屋にいる観客も映っている。
この作家の新作が出来た。と聞けば、多分、また行くと思う。
(2000年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。