2002年10月26日。
時代の脚光を浴びすぎていて、時代に乗るのがうまい人で、あまりにも遠い人だと思っていた。それが、ある展覧会を境に、急にアーティストとして、やはり、凄いのでは?と改めて思った人。
そういうこちら側の勝手で失礼な評価の移り変わりなんて、本人には関係ないと思いつつ、比較的、身近な目黒美術館で個展をやるのが嬉しくて、そして、それに先立ってというか、同じ時期に講演会もあって、それは都立大跡地に立てられたパーシモンホールという建物には初めて行って、そこで日比野克彦の話を初めて生で聞いた。ホントに感情的になれない理性的な人なんだな、と思い、本まで買った。パンフレットを買って、サインもしてもらった。
展覧会は、よかった。
巨大なダンボールの作品の部屋が個人的には一番よかった。1990年代の後半になってのもの。少しすさんだ感じまで取り入れて、よかった。だけど、この展覧会は日比野の20年間に渡る作品を紹介していて、それだけ長い間というのも改めて凄い、と思いながら、最初の頃の80年代の作品は、見ていて、楽しくて魅力的で、Tシャツにしたり、ポストカードにしたり、様々なものにして、そして、身近においておきたくなるような、幸福感が確かにあって、それは今使うと言葉さえもうそくさくなるものでもあるけれど、だけど、すごくよかった。これだけ、まとめて見たのは初めてで、妻が、昔から凄く好きだったというのがよく分るような気がした。
これからも、長く、生き残っていく人なのかもしれない。
少なくとも個展をやると聞けば、見にいくと思った。
(2002年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。