アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

“petit”GEISAI#15。2011.10.9。東京都立産業貿易センター台東館。

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“petit”GEISAI#15。2011.10.9。

東京都立産業貿易センター台東館。

2011年10月9日

 3月に東京ビッグサイトで予定されていた「ゲイサイ15」は、東日本大震災で中止になった。今回は、プチ、と名がついて、年齢制限(29歳以下)で、審査ありの「ゲイサイ」となった。制限なし。無審査が特徴で、そのかわり、いつもプロになるための基準としての賞を設けて、それを無言のハードルとしている、というイベントだと思っていたが、本来は「若いアーティストにデヴューにチャンスを与える」という目的だったのだから、根本的な変更は、残念だが仕方がなく、かといって、次はどうなるのだろう、と思っていたら、つい昨日くらいに発表があって、次も同じように年齢制限と審査有り、というシステムになるらしい。それでも、プチゲイサイは見に行こうと、義姉に頼んで来てもらって、出かけた。

 

 浅草までは、途中、三田駅で乗り換えて、1時間くらいで着いた。そこから歩いて、産業貿易センタービル、という昔からの鉄筋の建物の7階で、開催している。入場料は無料。ブースは220くらい。知っている作品もあったが、当然、どれも知らない人ばかりで、当たり前だけど、そして、自分を見て、という作品も少なくない。審査があっても、でも、それは若ければ当たり前で、などと思っていたけど、このくらいのボリュームは見るのには、それほど疲れなくて、着いたら、投票が終る時間で、それをマイクで説明している村上隆のしゃべりにはトゲがあって、それは疲れがあるのだろうな、と美術手帖でまるでカウンセラーのように若いアーティストを修行させている記事を読んで、恐ろしいほどに疲れるはずだけど、というようなことも思い、それでも、何人か面白いな、と思える作品もあった。

 

 カワハタユウキ。少し人をなめたような絵のタッチがよかった。加賀尋、身近なものを描いているのかと思ったら、イメージで描いているという品がよくて小さい絵。審査員が3人いて、そのうちobさんが選んだ藤川さき、という人の作品。最初は、通り過ぎていたが、賞をとって、もう一度、見に行ったら、色使いや背景の気の配り方に、見る人を健全に意識した感じが出ていて、本人が、見せ方を考えた、というのがいい具合に出ているように見えて、審査員が、3人選んだ中では、私は、一番好きだった。

 

 それから、熱があって生き物を抱いているように感じる作品。帰ろうかと思う頃、人気投票の結果が発表になって、中では、なんだかパレエの格好をした人が何人かいて、そのリーダーは、その格好をしていなくて、それでいて、ものすごく大げさに喜んでめまいを起こした動きをしていた。それでグループ展の権利を手にしていた。そして、1位の男性も、まるで政治家のような語り方だった。

 でも、そういう人達を見た、という事を含めて、面白かった。

 

 

(2011年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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