アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「東京計画2019 vol.1 毒山凡太朗」。2019.4,6~5.18。ギャラリーαM。

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「東京計画2019 vol.1 毒山凡太朗」。2019.4,6~5.18。

ギャラリーαM。

 

2019年5月18日。

 

 駒込のギャラリーで初めて見て、それから面白い作家だと思って、なるべく見るようしている。中目黒での個展。そのトークショーも見た。そして、今回は、薮前知子という学芸員が企画をしたシリーズ。そのあとも、知らない作家や、見たい作家がならんでいる。

 

 こういう時でないと行かない馬喰町。以前は迷ったけど、今回はほぼスムーズに行ける。入ると、本人がチラシを渡してくれる。大きい画面に映像作品が映っていて、「本当の空はここにしかありません」と作家が叫んでいる。そこは高村光太郎智恵子抄の「あどけない話」の中でのことからで、「この上の空がほんとの空です」という碑が福島県にあって、そこで、雨の中で作家が叫んでいる。「福島第一原発の事故によって生まれ故郷が汚染されてしまったことをきっかけに、仕事を辞め、新たな名前とともに現代美術の発表を始めた作家」だとリーフレットにも書いてあって、だから、この地が選ばれたのだろうし、そして、その映像が終わると、そのまま横に視線をずらせば見えるところに、違う映像が流れ始める。

 

 東京の、おそらくはオリンピック関連の施設の工事現場で、「もっと空を消してくれよ」と何度も叫んでいる作家ではない男性。渋谷かもしれない。そうだよ、でも、もっと高くして、空を消してくれよ、と叫びつづけている。何だか面白かった。オリンピックで全部、なんだか正当化しようとしていて、確実におかしくなって来ているといってもいいのかもしれず、先は、ただある種の崩壊が待っているのだろうと思うが、その厳しさは、今も凄く貧乏なので、あまり影響は受けないのかもしれない。

 

 DVDのタイトルを、23区内のすべての町名にして、それを積み重ねた作品。思わず、自分が住んでいる町の名前を大田区の中にみつける。受け付けのところに、千代田区一丁目一番地を本籍にしたらしい戸籍謄本があったらしく、あ、そういえば、それらしいものがあったけど、でも、聞いた話だと、本籍地を、その皇居にする人が少なからずいたはずで、そういうのと並べた作品が見たいとも思った。

 

 

(2019年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

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