アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「フクシマ」へ門を開く ——— 福島第一原発観光化計画展2013。2013.12.24~28。ゲンロンカフェ・ゲンロンオフィス。

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「フクシマ」へ門を開く ——— 福島第一原発観光化計画展2013。2013.12.24~28。ゲンロンカフェ・ゲンロンオフィス。

 

2013年12月28日。

 

 今年になって「ゲンロンカフェ」が出来て、そのトークショーに行くようになって、東浩紀という人が、ホントに頭がよくて、そういう人が本気を出したらすごい、ということを思い知らされるようになって、今日で5回目。何年か前にカオスラウンジの展覧会を見て、ついに新しい歴史が出来る、という思いがあったのに、その後、肖像権などのことで、いろいろとあった。そのカオスラウンジの作家の梅沢和木の作品を確か今年久しぶりに見て、今の作品だと思い、さらに別のギャラリーではドローイングも見て、才能あるんだ、と感心もし、今回の東を中心とした「福島第一原発観光地化計画」の本を出し、それだけでなく展覧会にまでなり、梅沢が、そのビジュアルに貢献していたことも知った。

 

 展覧会の場所はゲンロンカフェとゲンロンのオフィス。しかも4日間。限られた展覧会であり、考えたら場所もそんなに広くもなく、変則的なのに、こうして話題を集めていることに希望が持てるものの、ただ、その覚悟みたいな凄さも感じる。

 

 着いたら午後5時くらいだった。けっこう人がいる。もう4回来ていたゲンロンカフェがすっかり変わっていた。きちんと展覧会場になっている。入り口にテレビ画面。この2年間の福島関連の写真を凝縮して映している。ものすごいスピードで変わる映像がちょっと気持ちいいが、大震災のあとは、非現実的な光景ばかりだったと思うと、何ともいえない気持ちになる。「原発観光地化計画」のジオラマ。事故後の原発の中の写真。カオスラウンジの作品。梅沢和木のツナミの塔本の表紙の作品でもあるが、かなりよかった。藤代嘘の太陽の絵。そういう作品が。あるだけで、確実に場所の感じも変わってくる。会場の床には「原発の方角」を示す矢印がしっかりと書かれたりもしている。さらには、チャルノブイリを訪れた時のビデオもあった。

 

 第2会場はオフィスにあるらしいが、そこを見るには、その会場をカメラでずっと撮影されているし、それが梅沢の作品にもなるかも、ということへの同意書を書いた人だけに見られるという作品があった。まるで放射能を遮断するかのような銀色の布をくぐりぬけると、作品がある。「うたわれたもの」という題名。使われたキャラクターのせいで、炎上したということらしいが、でもリアルだった。震災後に、震災の映像も使って、そのキャラクターが死んでいるかのようにも使われたということも問題になったらしいが、ただ作品としてはよかったのは、やっぱり今の時代のものだと感じたからだ。コラージュだけでなく、その上から絵の具のようなものを塗ってあって、それも質をあげているように思える。マージャン卓と思ったら、原発事故マージャンというものだった。原発の事故が大きければ大きいほど、点数が多いというようなルールがあるらしい。ミサイル将棋というのが昔あって、それは原爆を乗せられるルールがあったのをあとで思い出した。

 

 見たことが、あとになって、さらに意味を増すような展覧会だったようにも思った。同時に、その時は、いわゆる「炎上」もしたとも知った。

 

 

(2013年の時の記録です。多少の修正・加筆をしています)。

 

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