アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「20世紀。美術は虚像を認知した」。2002.8.3~9.23。平塚市美術館。

2002年9月21日。

 母が入院して2年目を迎えて、初めて外出したのが、平塚市の美術館だった。ここは「トウキョウ ポップ」を見て、アートへの興味が数段階にも増し、そして、今のように興味を持つことが出来た場所でもあるので勝手に何か恩のようなものを感じている。そして、この美術館は、母の入院先から、クルマで約20分とかなり近い。縁のようなものを感じ、そして、今回のこの展覧会も、自分も楽しめ、さらには母は勉強熱心だけあって、学芸員の説明があるよ。と話を持ちかけると、乗り気になった。その学芸員は、板橋区立美術館でギャラリートークというのも結構おもしろいんだ、と気づかせてくれた尾崎さんという人が、ここに来ていたので、それで行ってみた。

 

 午後3時30分から説明が始まるというので、それに合わせて行った。妻と母と私の3人で。

 会場には様々な作品が並び、説明も長くなり、それに関して、母は驚くほど熱心に聞いていて、それで、少しその疲れが病気によくない影響が出るのではないか?と心配もしたが、予定より長くなって、5時近くになり、もう少し作品をいろいろと見たかったが、スージー甘金の作品など、見たことないものがあったりしたが、でも時間もないし、母の疲労も心配だった。

 

 終った後、楽しかったと言いながら、でもやっぱり、この年の冬に見た日本画のようなものの方がよかった、ようだった。残念だけど、そういう好みは、そう簡単に一致しないのだろう、と思った。だけど、母はすごく熱心で、理解しがたいものを前に、物凄く理解しようとしていた。久しぶりの外出というせいもあるだろう。だけど、こちらの好みにあわせるのは無理だから、母の好みに合わせていこう、とは思った。だけど、その学芸員の説明は相変わらず、分かりやすく、そのせいで、母が聞けたというのもあると思う。もっとゆっくり全体を見たかった。

 

 

(2002年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

www.city.hiratsuka.kanagawa.jp