アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

毒山凡太朗:Public archive。2018.6.14~7.30。青山目黒。

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毒山凡太朗:Public archive。2018.6.14~7.30。青山目黒。

2018年7月8日。 

 今日はトークショーもあるし、昨日行こうと思っていたギャラリーに行くことにした。暑くなって、いつもよりも早めに目がさめて、なんだか眠いような気もしたのだけど、それでも、晴れたので、洗濯をしようと思って、お風呂も水をかえて、食事もして、洗濯物を干したりしていると、時間がたって、出かける時間になった。

 

 中目黒と祐天寺の真ん中のような位置で、気がついたら、やたらとオシャレな店が増えていて、道をはさんでブルーボトルコーヒーがあって、そんな場所でもあったのだけど、そこに行くイメージが残っていたのは、祐天寺という場所が自分が昔住んでいた場所で、それは、もう30年近く前のことであって、とんでもなく時間が流れていたのかもしれないが、その流れが身についていないというか、実感していないというか、だけど、かなり大きく変わっていて、今もし住み続けていたら、ギャラリーがある街になっていたのかもしれない、と思った。その東横線という路線は40年近く前に大学に通い始めたあたりから、かなり縁もあって、今に至るまで、その路線に乗り続けているような感じになっているのだけど、だから、現地に到着する時間を短く見積もってしまっていて、ちょっと遅れたかも、という時間になった。

 

 電車に乗って、乗り換えて、急行だから、中目黒で降りて、トイレに行って、着替えようと思ったのだけど、ギャラリーでトイレを借りればいいや、と思いながら、改札口から歩いて、思ったよりも時間がかかりそうで、道を歩くと、いろいろな店があって、だけど、コンビ二がないと思って、自動販売機で水を買って、左側にブルーボトルコーヒーが見えて来て、2度くらいしか来ていないのに、なつかしさを感じる。

 

 中に入ると、会田誠が話をしている映像。

 それは、どうやら、慰安婦像を立体映像的なもの(毒山が現物をスキャンしてきた)を見ながら、スケッチをして描いている映像。それに加えて、会田がいろいろな話をしていて、それは、銅像の話であったり、慰安婦に限らず、ブロンズ像そのものへの批判的な見方で、あれは重過ぎるから、車輪をつけたり、風船でもいいんではないか、といった話をしながら、iPadでも描いていて、それは映像と、そのそばにあるiPadとも連動していて、絵の描き方が同時進行のように見られる。こういう作業が目で見えるのは、すごく重要なのではないかとも思った。そして、発言の中では、14歳の女性の魅力を語っていて、それはほ乳類の幼い頃の可愛さがすごい、ということと、生理が始まっていて、大人になって、だから、その両方の要素がある不思議な年齢という言い方をしていた。

 

 それから、メインは、韓国にある日本大使館の前にある慰安婦像を、3Dスキャンしている毒山の動画があり、なんだかのどかな風景でもあったりして、そして、奥の部屋では、当時の慰安婦で、すでに90代になって、今では伝説的な存在になっている女性がインタビューを受けている映像があって、途中で慰安婦としての話を具体的に質問していたら、人間でないようなことをしていたんだから、もうやめてください、といったような事も話をしている。

 

 午後5時から、トークショーが始まる。卯城竜太、上妻世海、と毒山の3人が話す。卯城の声の響きがちょっとノイズが入っているように聞こえる。上妻は、ちょっと恐い、というか、昔のラッパーのような感じ(あまり知らないけれど)。そして、今回の作品のデータの扱い方も含めて、データを、観客に無料で配る。勝手に公共のものなのだから、スキャンする、といったことを形にしているから、現代の作品ではないか、といった見方が出ていて、そういう新しさなのかとちょっと分かったような気持ちになっていた。さらには、たとえばラインもそうだけど、中央集権的にサーバーに集められているよりも、スカイプのように、1対1のほうが…みたいな話にもなって、途中で眠くもなったりもして、ただ、話をする時に、どうしてこれだけ自信を持って、さらには人が聞けるようなことを話し続けられるのかと思って、そういう能力の高さも、不思議だった。

 

 データはスマホをもっていたら、それをもらえて、3Dプリンターがあれば、再現できる、ということで、データがあちこちに分散するのが、可能になって、だから、もしかしたら、こういうことはもっと可能性があることを示してくれるアートが、まだ出てくる、ということなのだろう、とも思った。(自分はスマホもケイタイを持っていないのでデータを持って帰れなかった)。

 

 

(2018年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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