アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「ドリル2」。2018.12.7~12.16。ギャラリー トウド。

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「ドリル2」。2018.12.7~12.16。ギャラリー トウド。

 

2018年12月15日。

 夏に最初の企画で「エクササイズ」という展覧会があって、その時も短い日程なのに、トークショーまであって、それに感心もして、これは続く企画です、といったことも聞いていた。展示をして、課題が出て、そしてまた展示する、といった方法をとることに興味があって、行きたいとも思っていたが、あまり長くなく、さらには週末だけ、という制限があったし、赤いバラを持参する、という条件もあったし、予定もあったから、と思ったが、その予定のある渋谷から、あまりなじみのない小村井という駅までが意外と近いのを知って行くことにした。

 

 知らない駅、たぶん以前も一回行ったことがあったのだけど、着いたのが夜の7時を過ぎているから、不安がふくらむ。地図を確認して、歩く。ちょっとこわい。スカイツリーが妙に大きく、とても不自然な場所に立っていると思う。バラの花を持って歩いている男性を見て、声をかけようかとも思ったが、自分が行こうとしている場所があっているかどうかも分からない。

 

 ギャラリーがあった。ホッとした。中に入る。作品がバラバラにある印象。前回、展示していて、気になった人は今回はいない。もう一人の人に話を聞きたかったが、たぶん知り合いの人と話が続いている。あとから来た人も含めて、顔見知りばかりの集まりのようで、私のように知らない観客が来ていることはあまりないのかもしれない。

 

 それでも、2階に上がるためにバラの花をカーテンの向こうにいる人に声をかけて渡す。期待がふくらんだが、2階の部屋には、切り花としてビンなどに飾られているバラが並んでいる。観客は、バラを買うという経験を、作家は、初めて水あげをして、という経験をして、と書いてあるが、もう少し何というか、観客のぜいたくさだと思うけれど、違う光景が見たかった。小栢可愛。

 

 1階に降りて、まだ話をしている齋藤はぢめの作品は、インターネットの広告をテーマにしている、と分かって、でも、量が足りないのでは、とかいろいろと思って、前回のティッシュを配っている映像の作品よりも、介入が少なくて、勝手に物足りなかったのは、前回の「エクササイズ」とは、続きの感じが少なかったけど、それは理解が足りないせいかもしれなかった。

 

少し話を聞きたかったけど、まだ話が続いていたのであきらめて、ドアを出た。なんだか寂しかった。作品を見ただけの満足感だけでは足りない、という観客のエゴなのだろうか、などと思った。

 

(2018年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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