アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

オディロン・ルドン「夢の起源」。2013.4.20~6.23。損保ジャパン東郷青児美術館。 

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オディロン・ルドン「夢の起源」。2013.4.20~6.23。損保ジャパン東郷青児美術館。 
2013年6月20日。
 
 途中の駅でパンを買って、食べて、それから電車に乗って、渋谷駅を避けて新宿に着いて、それから、地下街を歩いていると、妙に遠いところに来た感じと、知らないところに来た不安が強くなったりして、雨の中、美術館のあるビルに着いた。
 
 つめたいコンクリート、という印象。そして、1階にはロッカーもあり、トイレもあるけど、どうやら女性用は一つしかない、ということらしく、なんだか、妙な感じを持ちながら、42階へと行った。
 

 最初のコーナーは、ルドンが自分探しをしている時代、などと解説してあったらしいが、でも、この19世紀の半ばに、そんな考え方があったのだろうか、と思う。単に仕事探しだったりという事に近いのではないのだろうか、などと思い、だけど、若い頃に、今でいえば美大に落ちたり、師匠についたら、どうも違うな、みたいな事を考えていたらしく、エッチングなどは、ホントに習ってます、みたいな感じだったが、20代半ば以降の絵、樹木の描き方がイラストっぽい、というか、デザインな感じというか、形が決まっていたり、風景画も、Tシャツにしたいような、今の人の絵みたいな感じだったのは、形のとらえ方が写生ではなく、こう見えたい、こう見たい、という気持ちがきれいに出ていて、人物画も、アニメの絵みたいな、オタク的に見えた。

 

 怪物シリーズみたいなものも、ちょっとポップで、そういえば、アニメ「悪の華」の絵も、ルドンだった。今、けっこう毎週、夢中に近い状態で見ているアニメのテーマだったりもして、そして、夢見るように、みたいな絵は、きれいで、どちらにしてもリアルよりもファンタジーな要素が強くて、そこに忠実、という意味でも、現代の人だと思えて、見てよかったと思えた。

 

 美術館を出て、売店があって、そこに並んでいる商品は、こんなものまでキャラクターにするんだ、と思えるような缶バッチなどもあった。

 

 それから、代々木ビレッジという場所へ初めて行って、植物好きな妻には、とても好評だったが、雨の1日で、なんだかもやもやして、帰って来たら、また仕事の書類選考で落ちた通知が来ていた。残念ながら、という通知が、30を超えると、少し慣れるけど、やっぱり、ただ先が不安になる。

 

 

(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

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