最初のコーナーは、ルドンが自分探しをしている時代、などと解説してあったらしいが、でも、この19世紀の半ばに、そんな考え方があったのだろうか、と思う。単に仕事探しだったりという事に近いのではないのだろうか、などと思い、だけど、若い頃に、今でいえば美大に落ちたり、師匠についたら、どうも違うな、みたいな事を考えていたらしく、エッチングなどは、ホントに習ってます、みたいな感じだったが、20代半ば以降の絵、樹木の描き方がイラストっぽい、というか、デザインな感じというか、形が決まっていたり、風景画も、Tシャツにしたいような、今の人の絵みたいな感じだったのは、形のとらえ方が写生ではなく、こう見えたい、こう見たい、という気持ちがきれいに出ていて、人物画も、アニメの絵みたいな、オタク的に見えた。
怪物シリーズみたいなものも、ちょっとポップで、そういえば、アニメ「悪の華」の絵も、ルドンだった。今、けっこう毎週、夢中に近い状態で見ているアニメのテーマだったりもして、そして、夢見るように、みたいな絵は、きれいで、どちらにしてもリアルよりもファンタジーな要素が強くて、そこに忠実、という意味でも、現代の人だと思えて、見てよかったと思えた。
美術館を出て、売店があって、そこに並んでいる商品は、こんなものまでキャラクターにするんだ、と思えるような缶バッチなどもあった。
それから、代々木ビレッジという場所へ初めて行って、植物好きな妻には、とても好評だったが、雨の1日で、なんだかもやもやして、帰って来たら、また仕事の書類選考で落ちた通知が来ていた。残念ながら、という通知が、30を超えると、少し慣れるけど、やっぱり、ただ先が不安になる。
(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。