アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

奈良エナミ 個展『refigure』。2008.6.6~7.14。GALLERY at lammfromm。

www.lammfromm.jp

2008年7月13日。

 昔、出版社で働いていた頃に使っていた代々木上原の駅で降りた。20年ぶりくらい。代々木公園の地下鉄の駅も、そこから表参道のデザイン事務所に行き来するために使っていた。最初は、渋谷の神山町から代々木上原の駅に行くまでに道に迷った事もあった。違う駅のようだった、というか、たぶん、その駅の周りの光景はまったく変わっていた、と思うが、以前の記憶も定かでないから、はっきりとはしない。

 

 その駅から、少し歩いて、ホントに平凡な商店街のちょっとはずれのような道を歩いていると、その向こうにかっこいい看板があって、そこがラムフロムだった。最近、インターネットではよく見ていたけど、来るのは初めてだった。

 

こんにちは。

とオシャレで、若い女性の店員さんが声をかけてくれる。

奈良エナミの作品を見る。といっても壁に3点くらいかけてあるだけだけど、ゲイサイ10で見た時も思い出す。見た時に、金賞だったし、完成度が高い、と思って、でも同時に、これ中山ダイスケが、同じような作品を描いていたのを思い出し、器用なんだろうな、とも思った。リヒターのように少しぼやけたような像が殴り合っているような絵。ファイルにはスケートボーダーの男性の図がいくつも並んでいて、赤い丸のシールがはってあって、どうやら一枚、一枚が作品のようだった。3万から4万くらい。けっこう売れている。

 

 絵は、何度見ても、誰かに似ている?的な気持ちが消えなかった。ある意味では偏見かもしれないけれど、なんていうか、賞荒らし、というようなイメージで、インターネットやどこか分からないような映像を元に描いた、みたいな事が解説に書かれていたけれど、そういう事も含めて、現代には受けそうな感じはあるのは間違いなかった。
 
 ただ、なんていうか、ただの鑑賞者として、生意気なのか偏見なのか、自信はないけれど、見ていて、ホントに描きたくて描いているのだろうか、と思えてしまう気配があるから、どうも印象に残りにくいのかもしれない。かといって、これが個人的な見方に過ぎず、間違っているかも、と思わせるのは、やっぱり技術が高いせいではないか、と同時に思ったりする。
 
(2008年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。