アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

カオス*ラウンジ「風景地獄―とある私的な博物館構想」。2016.6.24~7.10。六本木ヒルズ A/Dギャラリー。

カオス*ラウンジ「風景地獄―とある私的な博物館構想」。2016.6.24~7.10。六本木ヒルズ A/Dギャラリー。

2016年7月4日。

 カオスラウンジを個展があるたびに、また見たいと思うようになっていた。いわきにも行って、それは行ってよかったと思えるような展覧会だったし、その土地の意味みたいなものも改めて感じて、今回も、何かしら東京と関係があるらしい、くらいのぼんやりした気持ちで見に行った。

 

 梅沢和木の作品は、いつもと同じようで違っていて、でも圧倒的な情報量を魅力的に配置する、という能力が相変わらず高くて魅力的だった。他にも東京のことに関係していたり、東京大空襲資料館という看板(?)みたいなものがあって、これはフィクションだろうか、などと思って、ちょっとピンとこないまま、出た。

 

 帰ってから、チラシを見た。読んだ。一つの読み物として面白かったが、私設の「東京大空襲資料館」というものが実在し、そのことから、今回の展覧会が企画されたことを知り、見たものだけでなくて、そういえば、東京大空襲というものは、その焼け野原になったあとの光景は写真などで知っていても、あまり目にふれないし、耳でも聞こえないし、そんな資料を公的に集めながらも、議会の反対で、うやむやになった、ということを、先日の都現美での展覧会で知ったばかりだし、知らないままのことが多すぎると改めて思ったし、そして、このチラシの文章を読み、見てきた展示を思い出し、展覧会のサイトを見て、またいろいろと思い出し、その上で、この資料館を見に行ってみたいと思ったのは、チラシを読んだからだけど、最後の文章が「博物館にたどり着くことができたら、そこでこの展示は完結する」というものは出来過ぎと思いながらも、どこかで実在感が薄いままで、ただ、それだけのことがあまり語り継がれていないことは、やはりいびつとしか言いようのないことなのだろう、とも思えた。
 
 
 
カオス*ラウンジ「風景地獄ーとある私的な博物館構想」