アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画「2つ目の窓」監督・河瀬直美。2014.7.26ロードショー。テアトル新宿。

映画「2つ目の窓」。2014.7.26ロードショー。テアトル新宿

2014年8月4日

 ニュースか何かで見たらしく、妻が珍しく自分から「見たい」と言ってくれたので、探したらテアトル新宿では、ちょうどいい時間で上映しているので、少し早く起きて、出かける。

 

 初めての場所。地下一階。キレイでわりと広いロビー。珍しくほぼ真ん中の席を並んでとった。コンビ二で買った食事をしていたら、お客さんが次々とやってきた。自分たち以上と思われる年齢の人が圧倒的に多い。平日の昼間は、もう20年くらい前になるけど、学生が多かったような気がする、と書いて、それから20年たったから、自分も中年になり、そして、少し上の世代のほうが映画を日常的に見ていた人が多いのだから、少し時間が出来たりしたら、シニア割引もあるし、それは大勢来るかもしれない、と思い、もしかしたら、もう少したつと、映画産業はさらに衰退するのかも、などとも思ったりもした。

 

 時間になる前にトイレに行く。それから、席に座る。真ん中のH。だから、8番目になるのだろうけど、妻には少し遠いかな、と思ったり、前の人の頭が邪魔なのかな、と思ったりしていたけれど、始まると何しろ海が波がなんだかすごかった。こんな風に見た事がないような波だったり、海だったり、森だったり、音だったりで、島のいろいろな環境の得体の知れなさが画面に広がっていて、そして、そのうちに、そこにちょっと巻き込まれるような感じになった。
 

 途中で中年以上の、特に男性の言葉にどうも違和感を感じたり、年輩の男性を変に仏っぽくしてみたり、というのが引っかかたりしたものの、最後まで、何かに包まれているような感じで、海の中を初めてセックスした高校生同士が全裸で泳いでいたが、その裸が海の中では生々しいというか、弱々しい生き物に見えたのは、周りの海とか波とかが、すごいというのを分からされたあとだからかもしれない。

 

 途中、この若い男性が、その母親へ、離婚したこともあったのか、いろいろな男性と付き合ったりしていることへ、淫乱的な言葉をあびせていた時に、若い女性が家に入って来て、そういう事言うもんじゃない。関係ない。関係ある。というような会話も、とてもよかったりもしたから、徹底して、自伝に近い映画を作ってくれたら、圧倒的に映像の人でもあるのだから、などとぜいたくを言っていたら、妻は、おもしろかったのに、などというような話をしていた。

 

 久しぶりに妻と一緒に見られて、それが楽しかった。平日の映画館が自分も含めて、あんなに年齢層が高いのも改めて知ったりもした。大きい画面を壁に映して、大勢で見るって、考えたら、変な行為だと改めて思ったりもした。

 

 

 

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