2013年6月6日。
近所のギャラリーのオーナーに、「いいですよ。この前よりも進化してます」と笑顔ですすめられて、妻は、強く行く気になっていたし、出かけることにした。代官山というだけで、おしゃれな街、とやたらと思うのは、ある年齢以上の人間だけなのだろうか、と思いながらも駅を降りたら、おしゃれな若い男性がかなりの数、歩いていた。
そこから歩いて、わりとすぐのヒルサイドテラスに行く。もう20年くらい前、一回だけ、ここの建物をスタジオに使っているおしゃれで豊かなカメラマンと仕事をした事があって、その時はホントにお金がある感じの人で、という粗い印象しか残っていないが、そのあとは、川俣正が「炭坑」をテーマにした展覧会のイベントとしてトークショーがおこなわれ、その時もこの建物の地下だった。それは、会場に人がほとんどいない、という状況だったが、川俣正は、まったく動じることもなく、自虐なネタにすることもなく、きちんと話をしていて、そのぶれなさに感心もしたことは、かなりはっきりと憶えている。
そこに久しぶりに行って、外から見て、もう作品があった。銀座のギャラリーで見た時に、森が、うっそうとして、ちょっと恐いくらいのエネルギーがある感じ(といっても、個人的な、しかも、本当に熱帯雨林みたいなところを見たわけでもないが)がすごく出ていて、半立体という見せ方も、単純に目先を変えた、というよりは、自分が見て、感じたことを伝えるために選択した方法という自然さがあって、それにも気持ちが動いたのも憶えている。
今回は、オイルバステルとクレヨンを使っていて、そして、テーマは森と、海で、それも広がりがあって、ただ、この前と比較して、さらに細密さを追いかけるのではなく、そうした細かさが出ないように、(と思われる)パステルやクレヨンを使っていて、そのことで、やっぱりエネルギーとか、海の広がりがより出ているように見えた。
それから、もう一カ所、ツタヤの代官山店が、すごい、というような話は聞いていて、そのラウンジに展示してある、ということで、そこから少し歩いたら、ツタヤがあった。広い。本がいろいろとある。スターバックスもあり、その飲み物を持ち込んで、その上で、本も読める。そういう場所には、揃えているかのようにマックを使っていて、そして、2階のラウンジは、テーブルが並んでいて、そこに粒を揃えているように、同じようにおしゃれだったり、お金持ち(に見えたり)だったり、そういう人達がいて、私と妻は壁際にある道をあるいて、吉田夏奈の作品を見た。
中のラウンジのカウンターは、本を重ねて、その上にテーブルがあったりして、全体的に「大人」な感じだったが、どこか金銭的に豊かなバリアがあって、知らないうちにひがんでいた。でも、時間とお金があったら、もう少しゆっくりはしたい、と思うほど、本もいろいろなものがあった。それから、昔は久が原にあって、そこから代官山に店をうつした人のカフェに行った。それから帰って来たが、妻は疲れ気味なのか、夕食後に9時から寝たら11時過ぎまで起きて来なくて、そのあとに歯を磨いてもらって、すぐに寝てもらった。大丈夫だろうか。
(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。