アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

映画「フォックスキャッチャー」。2015.3.31。角川シネマ有楽町。

フォックスキャッチャー」予告編

https://www.youtube.com/watch?v=ZZGPy50wKJg

 

 

(※映画の内容に触れています。未見で情報なく視聴されたい方は、ご注意ください)。

 

 

 

 

2015年3月31日。

 映画に行こうと思ったのは、ウイークエンドシャッフルで、ライムスター宇田丸がほめていたのと、その内容がある意味救いがないような話で、でも、人間の存在のリアルさみたいなものを描いているようにも思えたので、見たいと思った。

 

 初めて行く映画館。有楽町のビッグカメラの上。そこのポイントカードを見せたら400円割引をしてくれて、それはありがたいとも思った。

 

 空いている。

 人がバラバラといて、おそらく全員が一人で見に来ている。

 金メダリストを、そのスポンサーでもあった大富豪が射殺した、という事実を元に作られた、という映画。

 

 最初に出て来た弟。レスリングの金メダリストなのに、華やかさがない。体も立派なのに、明るさも感じない。そこに兄が出てくる。二枚目でなかったけど、正しい人。そして、その人も金メダリストで、体は小さいのに、弟よりはるかに強いのでは、というのが分かるような場面が続く。

 

 弟に電話がある。孤独な大富豪に雇われる。おそらくはウソみたいな高待遇で。

 

 画面の緊張感は心地よかった。3人の関係が、こじれるのが分かっているような事なのに、序々につもっていくというか、だけど、無理なく、というか、人が幸せに生きるって何だろう、みたいな事を、見終わってから少し思うような、生きるってなんだろう、とか、そんな事を思ったりもする。

 

 最後、射殺事件があり、犯人は、ただ捕まり、弟は総合格闘技にデビューするが、その競技に合っているのでは、と思えるところが少しの救いに見えたものの、そのあとに黒い画面に文字が並ぶ。兄が殺され、妻と2人の子どもは残され、後にレスリングの殿堂に入った。弟は、その後、地元に帰って、レスリング教室を開いている。そして、射殺した大富豪は、逮捕され獄中で亡くなった、ということを知る。重い気持ち。

 

 前もっていろいろと知っていたから見る気になったが、やはり、何も知らずに見るようにしたほうがいいんだな、と思ったりもした。

 

 

 

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