2024年11月23日。
妻と、下丸子の駅で夕方に待ち合わせをする。季節は進んでいるので、暗くなるのも早い。
無事に会えたので、そこから歩く。
去年も来たはずなのに、微妙に自信がなく、暗くなっているので、少し不安にもなる。
と思ったら、その会場はあった。
今自分が住んでいる家と同じ引き戸の前に小さい表示がある。中に人がいて、明るくなっている。
入場料は、一人500円だから、応対してくれたスタッフと思われる女性に1000円札を渡す。
この「下丸子の家」のことを、どうやって知ったのかを聞かれる。
なので、ここに来た経緯などを伝えたのだけど、なんとなく不思議な反応をされた気がした。
中は、解体、とは言っても、建物の外側の枠を残して、床などをはがしているから、広い範囲で土がむき出しになっているし、あちこちが外とつながっている開放感を通り越して、内と外があいまいな空間になっている。
それなのに、あちこちに作品と思われる立体もあって、大きく主張をしていないけれど、その空間の整えられ方は、気持ちも良くて、それだけで、なんだか来てよかったと思えた。
1階の土間のようになっている空間には机があり、そこには焼き物のような、小さな柔らかいタイルのようなものが並んでいる。
妻は、それに反応して、手にとっていいので、と言われて、見ている。小さな立体の焼き物もある。そのうちの2つを気に入って購入する。1つ1000円。
それは、この企画をしている作家の自宅の庭の土を使って七輪で少量ずつ焼いたものと教えてくれて、それで、またその作品は、違って見えるようになった。
この「IE-NIWA」と名付けられたプロジェクトは、6回目になり、建築家の柳圭佑が中心になって続けてきたらしいことも知る。あちこちの場所でこのプロジェクトを続けているのを、初めてわかる。
昨年、ここでパフォーマンスを見た時は、空き家とはいえ、まだ家のままだったので、別の空間のような気もするが、二階に上がる。
そこでは、予想外だったのだけど、洋服などが飾られ、販売もされていた。
それが、おそらく今回の川と関係しているようで、そのデザインは、草花の写真などを生かしたとても魅力的な作品だった。ただ値段もアート作品価格だったので、残念ながら、うちでは手が出なかったものの、それでも、鑑賞に耐えられるような優れた商品なのも間違いなく感じた。
『kanami fusio』
コーヒーもごちそうになってしまい、そして、その展示会場内では、何度か、どうやってこの展示を知ったのか?もしくは、関係者の知り合いなのか?を尋ねられたので、もしかしたら、こうしてホームページなどを見て、ただアートが好きなので、と見にくるただの観客は少ないのかもしれない、とも思った。
地元で、こうした空間があって、見にこられて、充実した時間だった。
世の中には自分が知らないだけで、さまざまなことやものを伝えようとして活動している人がいることを、改めて知った。
妻は、作品も購入したし、私よりも楽しんだようだった。
二人で来られて、よかった。