2013年1月6日。
映画もやっていて、展覧会と両方を見たい気持ちもあったけれど、展覧会を見ようと思ったのは、アーティストは何しろ作品を見て欲しいだろう、と勝手に思ったせいだった。
ボクシングペインティング。もう40年くらいやっている行為で、そういうことをやる人もいなくなり、たとえばジャクソンポロックも早くに亡くなってしまって、そんな中で80歳を越えて、まだ続けている、ということで注目されている部分もあるのだろうけど、その作品は、見るとやっぱり奇麗さと言うか、独特の味みたいなものやエネルギーが確かに伝わって来て、長年やっているから、若い時のほうが勢いがあったとしても、その蓄積が確実にあるのだろうと思った。
ダンボールとかゴミのようなもので作り上げたぼこぼこの質感の作品があって、それと共に篠原乃り子の作品が並んでいる。自分と夫と家族(息子がアレクサンドル空海、みたいなすごい名前だけど)を主人公にしたような、おそらくはフィクションなにおいが強いけど、伝わってくるのは事実なのではないか、と思えるようなドローイング。夫がアーティストで、20歳も上で、結婚してすぐに子どもが生まれて、自分自身もアーティストなのに、という思いをしながら、それが出来ずに、ここ10年くらいでやっと本格的に活動を始めたらしい。その葛藤みたいなものは伝わってくる作品だった。
会場にドキュメンタリーの監督が作った映像も流れていて、そのスローな映像はとても美しかった。映画も見てしまったような気持ちにもなった。
(2014年の記録です。多少の加筆・修正をしています)。