アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「BEAT TAKESHI KITANO」絵描き小僧展。2012.4.13~9.2。東京オペラシティアートギャラリー。

f:id:artaudience:20210823105518j:plain

「BEAT TAKESHI KITANO」絵描き小僧展。2012.4.13~9.2。

東京オペラシティアートギャラリー

 

2012年8月17日。

 もう半年も前から約束していたのは、この日に、展覧会を一緒に見ることで、高校の同級生の2人の女性と、妻を連れていって、初めて会うことになっていた。楽しみでもあって、ちょっと緊張もしている。同級生は神奈川県だから、ちょっと遠いし、アートにすごく興味があるというよりは、仕事の関係で招待券が手に入ったから、どうですか?ということが始まりで、ちゃんと会えるようになったのは嬉しかった。

 

 この展覧会を知って、行こうと決めて、セブンイレブンで塗り絵の本がプレゼントにつくと聞いて、だから、すぐに申し込んで買ったのが、もう半年くらい前だった。やっと、というわりには、そういう前から決まっていた日は、おそらくはあっさりと過ぎる。だけど、少し早めに起きて、出かけて、予定通りには着いたけど、もう来ていた。

 

 一人は、それでも5年ぶりくらいだったけど、すぐに分かって、もう一人は、高校の時にも話も出来なかったというか、話す機会すらなかった相手で、あいさつしても、ピンと来ないと言うか、初対面と一緒だった。そして、ギャラリーに入って、だけど、その特に初対面の人に妙に勝手に気を使ってしまったりもしたが、たけしの絵が、考えたら60を越えて、こういう邪心がないように素朴に描ききれる、ということを感心し、ピカソっぽく見えていることが気になったりもしたが、他に、ほとんどギャグのような、それも、ちょっとウケが悪いようなものを形にしているのが、ちょっと気になるというか、もう笑えないのに、といった事を思うのは、おそらくは邪心だと思う。

 

 だけど、恐竜に色を塗ったりしたり、大きい蒸気機関車のようなミシンみたいなものとか、考えたら、とてもばかばかしいような発想をそのまま立派に形として実現した、というだけでも、すごいことというか、そういう自由さって、おそらくは誰もいない場所で、もっと自由に見ることによって、また遊ぶような気持ちになれるのではないか、というような気持ちにもなったのは、後の事だった。

 

 あとになり、帰ってきて、カタログを見たら、なんだかすごかった。作品の一つ一つを写真で見ると、会場でおしげもなくたくさん並べてある時よりも、すごくいいものに見えた。というより、ものすごくコンセプチャルなメッセージもたくさんあって、そういう言い方を、難しいこと言ってんじゃないよ、というような言われ方を作者本人から言われそうだけど、でも、そのすごさは、作品と一人で向き合った時に、もっとよく分かるような気がした。

 

 

 

(2012年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

www.amazon.co.jp