2015年9月12日。
この美術館は、こうした小規模な特集展示といっていい企画をする。
そのことで、知らないことを知ることができる。
今回は、1970年代の写真を中心にした展示だった。
『事物を事物として、また私を私としてこの世界内に正当に位置付けることこそわれわれの、この時代の表現でなければならない 中平卓馬「なぜ、植物図鑑か」1973年』
『ここでいう「事物」とは、レンズの向こうに現れる世界の具体的なあり方のことです。そして事物について考えることは、世界に向き合う写真家の立ち位置への問い、言いかえれば、主体としての「人間」と、客体としての「世界」という関係の構図を、根本的に考え直すことへとつながっていきます。実はこうした思考の展開は、「もの派」など同時代の美術家たちが向かい合っていた課題とも、文脈を共有していたようです。
この展覧会では、中平に加え、当時、同じく事物と写真をめぐるユニークな思考を重ねていた大辻清司の仕事を軸に、同時代の美術も視野に入れながら、事物と写真をめぐる当時の状況を考えます』。(リーフレットより)。
かなり難しく感じて、でも、それは、この時代の作品を表そうとする「正確な」表現にも思える。難しい時代だったのかもしれない。
「事物」一九七〇年代の日本の写真と美術を考えるキーワード。
https://www.momat.go.jp/archives//am/exhibition/things2015/index.htm