日本の建築家 24人へのインタビュー。
ハーゲンバーグ,ローランド
オーストリア生まれ、ウィーンで育つ。マルチメディアアーティストとして、“VOGUE”や“Architectural Digest”などに寄稿。1995年より日本に移り、建築とデザインの世界を追っている。そのほか、WOWOWのTVドラマ用楽曲の歌詞を執筆するなど、幅広い活動を続けている。2010年には、作曲家、フランツ・リストの生地でもあるオーストリアのライディングにて、10人の日本人建築家によるマイクロ・ハウス建造のプロジェクトを開始、
この著者略歴は、この書籍が発行された2011年当時のものだ。
私のように、それほど建築家のことを知らなくても、名前だけでも聞いたことがあったり、その建築を知っている人たちが、登場している印象だった。
青木淳
坂茂
磯崎新
伊東豊雄
隈研吾
黒川紀章
妹島和世+西沢立衛
丹下健三
藤森照信
谷口吉生
他にも、13人の建築家がインタビューに答えているのだけど、これだけの人がいっぺんに登場しているという意味でも、貴重な書籍になっていると思う。
2020年代から見たら、10年以上前の言葉なのだけど、知っている建築家は、今も同じようなことを話しているような印象がある。
一番最初に、安藤忠雄が話しているが、今でもすごいと思わせる。
何かを創りたいと思っても、データと論理だけでは無理で、知恵が必要です。ただ知識さえ豊富なら何でも創れると思っている人が多すぎますが、知識だけでは不十分で、自分の仕事で人を感動させたいなら、まず自分が感動しなければいけません。
私は美術館とは貴重な美術品が保管されている場所というよりも、魂が触れ合う場所だと思っていますので、訪れた人が雑念にとらわれることなく、落ち着いて鑑賞できるような雰囲気を作り出すことが大切だと考えました。そういう空間なら、人は自分なりに美術と接することができるはずです。
建物とは子供の頃に植えた木のようなもので、人は一生、愛着を抱き続けられ、記憶もはぐくんでくれるのです。
私も1995年、ユネスコに瞑想のためのスペースを作ったのです。もちろん、そんな理想の、平和な世界を今すぐにつくることはできません。しかし、瞑想をすることは、その第一歩になると思います。私たちは、まずそれに気づかなければならないと思います。
私にとって、家には2種類あります。ひとつは、体を休めるところ、もうひとつは精神と魂が生きるところ。私はこの考えをずっと示し続けてきました。
その後、もちろんメディアを通してしか知らないが、安藤忠雄は、変わらず、こうしたことを発言し、設計し続けているように思える。