2023年12月27日。
年末に写真美術館に出かけた。
(東京都写真美術館サイト)
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4591.html
Prix Pictet(以下プリピクテ)は、写真と地球の持続可能性(サステナビリティ)に関する世界有数の賞です。2008年にピクテ・グループによって創設され、写真の力をつうじてサステナビリティという重要な問題に人々の関心を集めることを目的としています。今回で10回目となるプリピクテは、各回ごとにサステナビリティに関するテーマが設定されています。
プリピクテ「HUMAN /人間」展では、ショートリストに選ばれた12人の卓越した写真家の作品が展示されます。作品はどれも、「HUMAN /人間」というテーマが提示するさまざまな問題を、人々の心に訴えかける強烈なイメージと共に探求するもので、最終選考に残った写真家たちは、それぞれ独自の方法で、私たちが共有する人間性と、人間と世界との関係性という大きな問題点を掘り下げています。今回展示される作品は、ドキュメンタリー、ポートレート、風景、光とプロセスの研究など多岐にわたり、扱うテーマも、先住民の苦境、紛争、幼少時代、経済構造の崩壊、人間の集落に残された産業開発の痕跡、犯罪組織による暴力、国境の土地、移民に至るまでさまざまです。それぞれの写真は、”地球の世話役"としての私たち人間の役割を冷静に評し、15年前に創設されて以来、プリピクテが重視してきた地球のサステナビリティという重大な問題に光を当てています。
2023年9月、今回の世界巡回展の最初の開催地であるヴィクトリア&アルバート博物館で行われたオープニング・セレモニーでは、インドの写真家ガウリ・ギルがプリピクテ第10回「HUMAN /人間」を受賞したことが発表され、賞金10万スイスフランが授与されました。ギルはプリピクテの審査員たちによって、ショートリストに選出された12人の中から選ばれました。
ギルの作品からは、コミュニティと一緒に活動し、コミュニティを通じて活動するという、彼女が「アクティブ・リスニング」と呼ぶ信念が強く感じられます。20年以上にわたり、彼女は北インド、ラジャスタン西部の砂漠地帯にあるコミュニティと親交を深め、ここ10年はマハラシュトラ州の先住民アーティストとたちとも交流してきました。(東京都写真美術館サイトより)
そのギルの作品は、このサイトに載せられている。
少女が二人、一人が木の枝から逆さまにぶら下がっているので、ややトリッキーな印象を与えるが、基本的には、とてもオーソドックスな写真が並んでいる。
他の11人も、世界の各地で、様々な問題について取り組み、ウクライナのことから、自宅の庭での出来事まで幅広い出来事を記録した写真で、それぞれ、違うテーマでありながらも、どれも必然性のようなものがあって、強い画面に思えた。
こうした貴重な作品を無料で見られるのは、さらにありがたい気持ちになった。
写真集 『Balika Mela』 ガウル・ギル