アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「パビリオン  チンポム」。2013.3.30~7.28。岡本太郎記念館。

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「パビリオン  チンポム」。2013.3.30~7.28。

岡本太郎記念館

2013年7月25日。

 東日本大震災のあと、岡本太郎の、渋谷の壁画に絵を加えた、という行為も、面白いけど、目立ちたいだけではないか、とすぐに思って、でも、ここまでも人の目を引く、という行為を繰り返してきたのだから、筋が通っているし、その行為も、間違いなくアートだとは思った。

 

 それでも、渋谷で実際にネズミをつかまえて「スーパーラット」にしてみたり、カラスが異性を呼ぶ時の声を大音量で流して、びっくりするほどたくさんのカラスを集めている映像作品は、面白く、すごいと思っている。

 

 そのチンポムが、岡本太郎記念館で展示をする、というのは、展示させる方がすごい、とも思ったが、一度は見たいと思っているうちに、半年も会期があるから大丈夫と思ううちに、もう1週間を切った。

 

 別の場所に出かける前に、寄れた。カラスの作品があった。今回は、原発事故のために、立ち入り禁止地域になっている場所でカラスの鳴き声を流したら、その立ち入り禁止区域から大量のカラスがやってきていた。すごかった。

 

そして、おそらくは今回の一番の目玉(古い言い方になってしまった)である岡本太郎の骨を墓から持って来て、展示する作品があった。それはホワイトキューブで、ガラスの向こうに、ホントに大阪万博の時の「月の石」のように飾られていて、きれいだった。

 言葉になりにくい、微妙な気持ちが確かにわいた。まだ、骨は溶けてなかったんだ、というような感想は確かにあったが、それだけでない、いろいろな気持ち。

 

 帰りに、売店に寄った。隣で女性が受付の人と、いろいろ話していた。大きい太陽の塔海洋堂が作った1万円を超える太陽の塔を持ち帰りで買って行った。拍手したくなる気持ちだった。アトリエには、渋谷の壁画につけられたチンポムの絵が飾ってあった。正直、ちょっと絵が粗い印象も思ったが、その一方で予想より大きかった。よく、これを渋谷の駅の構内の、わりと高い場所につけた、と思うと、それはすごいことでもあった。

 

 もう一つ、どくろの作品が庭にあると書いてあったのが、見つからず、帰りぎわに庭に行ったのに分からず、戻って受付の女性に尋ねたら、わざわざ庭にまで出て来てくれて、教えてくれた。思った以上に大きいどっしりとした作品で、これはすごく溶け込んでいて分からなかった。最初は、もっと草むらの中にあったそうだが、本当に分からないので、場所を変えた、と教えてくれた。

 すごく親切で、うれしく、ありがたかった。

 

 

(2013年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

 

岡本太郎記念館Chim↑Pom 展  『シブヤ経済新聞

https://www.shibukei.com/headline/9248/