アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「life/art 02」。2002.11.26~2003.1.26。資生堂ギャラリー。

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「life/art 02」。2002.11.26~2003.1.26。資生堂ギャラリー

 

2003年1月22日。

 同じ5人のアーティストが5年間、同じギャラリーで作品を発表し続けるという形の展覧会の第2回目だった。前回は、第1回目ということもあって、特にテーマを設けなかったというが、第2回目は、アーティストの中村政人から、家をテーマに出来ないか、という提案があったらしい。その後の、様々なトラブルというかいろいろな紆余曲折は、その展覧会のパンフレットに、企画した人間がかなり率直にそれも結構な分量書いているので、そういう資料は有難いと思う。

 

 5人のアーティストは、中村政人、金沢健一、田中信行、今村源、須田悦弘で、好きなのは須田の作品だった。それで、見に来たというのはあるのだが、他は中村と金沢の名前しか知らず、見た後も、他の人の作品の印象はそれほど残っていない。

 

 5人だけど、そのうちの1人に毎年、わりと広いスペースを与え、他の4人が他のスペースを使うという形式で、今年は、中村が広いスペースを使う予定らしい。

 

 須田の作品に、妻と2人で集中していたと思う。椿の花があったりして、ああ家に関係あるのか、と思ったり、さらに、その家の中にある、見つけにくい小さな植物を見つけて、喜んだりしたが、その家が新建材を使っていたせいか、などと思ったが、その家は異様に細いものだったが、外で見かけるものと全く一緒で、だからこそ、その時は興味がそれほどなかった。

 だけど、後になって、わりとたくさん書かれたパンフレットを見て、あの家が一般と全く同じで、そうすることに意味があって、それに対して、他のアーティスト達の反発があったということを知って、納得できる、と思う部分もあった。

 

 家が、こういう、ギャラリーみたいな場所にあって、少しじっくりと見ると、細く作ることによって、何だか妙なおもちゃにしか見えないようにもなっている。多くの人にとっては、命を削るようにして「マイホーム」を建てたのかもしれなかったということに気付き、こうした家の小さいモデルみたいなものを作ることによって、逆に肯定的に見られないかもしれないのに、協力した東日本ハウスは凄い、などと思った。

 

 

(2003年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

gallery.shiseido.com