2009年8月23日。
合計6人で庭園美術館の入り口にいつのまにか出来ていたミュージアムショップで待ち合わせて、展覧会に行った。久しぶりの庭園美術館は前よりもこじんまりとした空間に思えた。最初に手塚愛子の作品が上からつるされていて、そして後ろにその赤い糸がひっぱられたばねられ、床へと広がっていた。それだけでけっこう大がかりに見え、なんだか気分が盛り上がった。
それから、テレビで見た警備員のバイトをしながら、ひたすら刺しゅうをする人の作品。びっしりと細かい刺しゅう。細かすぎて、これ刺しゅう?と思うくらいの、そして、何かの模様をはっきりと作るわけではないので、何かある意味で無意味な蓄積に思え、そして、この人は刺しゅうの刺した数をカウントしているらしくて、一つ一つの作品がすべて、これはいくつ、と知っているらしいので、その数字も入れてくれればいいのに、などと思った。奥村綱雄。
1階には村山留里子の作品があって、こういう中にあって、こういう建物の中にあると、それがフィットする感じがする。マネキンの上半身を使って、その内部を使った作品がよかったけど、そのとなりに並んでいるのが、さっぱりとして見えるくらい、濃厚な作品だった。
その奥に伊藤存の作品。何か見ても、そのテイストが一緒で、そして、この建物の中にいる学芸員の人達はすごく年齢層が高く、ホテルマンという感じの背広の人に、タイトルがどの作品ですか?と聞いたら、お客さまの御自由にと笑顔で言われた。
2階へ上がり、最初に最近、何カ所かで見た竹村京、という人の作品。違う場所の写真をコピーと刺しゅうで重ね合わせたりしていた、と思う。それから、ヌイプロジェクトという集団の作品があった。
秋山さやか。この人の作品は何回見ても最初のワンルームの部屋の自分の動きを刺しゅうにした作品を思い出し、そして、どこに行ってもこの作品は作れるし、素材によってはきれいになるし、中にはベッドに縫い付けた写真もあって、あと10年はこれで行けるのではないか、などと妙な事を考えたが、この人のこのアイデアは個人的にはとても好きだと思う。
最後に清川あさみ、というチラシに大きく扱われている人の作品になる。痛い自意識がそのまま作品になって、自分への意識が相当高くないと生まれてこない作品だと、写真に刺しゅうをした作品を見て、思い、造花に刺しゅうをしているのを見て、生の植物で作った作品も見たいなどと思った。
全部で1時間くらい、あきずに、途中でトイレで、汗をかいたTシャツを着替え、伊藤存のTシャツに変えたりして、それから、中にあるカフェでお茶をしたり、軽く食事をしたりした。
充実した時間だった。
(2009年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。