アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

「櫛野展正のアウトサイドジャパン展」。2019.4.12~5.19。ギャラリーアーモ。

f:id:artaudience:20220224101954j:plain

「櫛野展正のアウトサイドジャパン展」。2019.4.12~5.19。ギャラリーアーモ。

2019年5月18日。

 

 確か会田誠ツイッターで知ったのだけど、本で知った人で、それも福祉の仕事から、日本唯一のアウトサイダー・キュレーターを名乗り、活動している人が、展覧会をするということを知り、見たい、と思って、そして行きたいと思ったのだけど、なんだか体調があまりよくなかったりもして、行く機会がないうちに時間がたって、行けないかも、と思ったけど、たぶん機会はこれから先もあるかどうかわからないから、と思って、妻と相談をして、一人で出かける。

 

 水道橋駅で降りて、2分のはずだったのだけど、ちょっと迷って、ドームあたりは遊園地もあって、ホテルもあって、ビルが不規則に建っているので、意外と複雑な場所になっていて、やっと見つけたのは、最初に思っていた場所とは違っていたので、このエリアの掲示板に、載せていてもらえたら、とも思った。(もしかしたら見落としていたかもしれない)。

 

 現地では、映像もあった。けうけげん。架空の芸人の絵をずっと描き続けている人が話をしている言葉が流れていて、ものすごくなめらかで、すでに存在していて、他の人も知っているように語りつづけて、その映像では、ネタを披露していて、思った以上に面白かったりもした。

 

 それから、他に並んでいる作品も、人によるのだけど、うまくならないので、余計に、その人自身が表に出ていて、すごく濃度が濃い作品が並んでいる。そして年齢が高い方々のものもけっこうあって、そこには人生が並んでいる。

 

人を極限までやせさせたような絵を、グラビアをなぞったような作品を描いていて、その子供でもあり、性同一性障害でもある塙興子が描いた絵が、なんだか悲しかったり、絶望感だったりを形にしたものに見えて、その親子の作品が並んでいて、そこには業の深さがあって、そういえば、家族で作品を作っていたりするものも多かったり、ひたすら自宅で製作している人も少なくなく、見ていて、体に来て、胃のあたりが重くなるような感じにまでなった。

 

 売店で、塙のポストカードを買った。かえってリーフレット会田誠のコメントを見て、自分の仕事のことも考えた。「櫛野さんは福祉からキャリアをスタートさせて、福祉につきものの善意から自由になることで、驚くほど広範囲な射程を持つキュレーターになりました」(会田誠の応援メッセージより)。

 

 

(2019年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

www.amazon.co.jp

 

www.tokyo-dome.co.jp