アート観客   since 1996

1996年からアートを観客として見てきました。その記録を書いていきたいと思います。

北 直以 展「仮構の風景」。1997.4.1~4.13。GALLERY ART SPACE。

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北 直以 展「仮構の風景」。1997.4.1~4.13。GALLERY ART SPACE

1997年4月。

 

 はかない。

 頼りない。

 消えるか、消えないか、その境目。

 うつろいゆく。

 それを、作品として作り、それを人にも自分が感じたのと同じようにどう伝えるか。

 難しいと思う。それにうまくいっても、受け入れない人は全然受け付けない。

 

 そんな作品を、ワタリウム美術館のそばの「ギャラリー アート スペース」で見た。

今、蒸発しようとしている水。次の瞬間には違う形をしているに違いない雲。木にやや曖昧に描かれた蝉のような形。そんな光景を撮影し、スライドで上映している。

 

 床には、一見なんだか分からない白いゴミにも見える散乱物。これは、塩で作った船を海岸に置き、それをそのままどう変化するかを記録し、その最終的なものが、ここにある散乱物に似たものだった。

 

 妻は凄く気にいっていた。細かく、はかないものが、うまく表現してあるということだと思う。

 

北 直以。

「仮構の風景」

1、海に帰る−海水が辛い理由−

2、昼寝の練習

3、鳴草

4、幻影

5、空に消える

 

 こうした作品を同じテンションを保ちつつ、それもはかなさを伝え続けるのは、こちらが思う以上に大変かもしれないが、これからどうしていくかは、見てみたい。観客は勝手なものだと思う。

 

 

(1997年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。

 

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