2017年5月14日。
美学校の卒業制作の展覧会を見に行ったのが先週で、その時にDMがあった。ひとつは次に行きたいと思っている松蔭浩之展。もう一枚は、「メンヘラ展」というタイトルだった。主催者のツイッターには、こんな文章があった。
『メンヘラ展は、メンヘラ当事者有志による表現主義的アート展示会です。私たちは、アートを通して健康な文化社会と適合するという希望を持って活動しています。主催者:あおいうに(@aoi_uni)』
会場に来たら、最初に似顔絵をしている作家がいた。描かれる人と、描く人が入り口をはさんで座っている。中には、妙な自転車とか、思い詰めたような女性と、おそらくはその作品。そして、映像や絵画。
こうした映像を使って、睡眠薬を飲んで死にそうになっていて、親に電話をかけてる自分の姿を映したりしている作品もあった。最後に奥の展示室へ行き、ゆめかわいい、と言われるような女の子の絵、でもあって、色があれこれ、というような作品があって、その前で、その作者が、その展示室いっぱいに響くような声で一生懸命説明しているのが耳に入って来た。さらには、その説明をしている男性に、写真を撮られたりもしていて、うーん、この中年の男性は、地下アイドル扱いをしているのではないか、とも思ったが、その説明の率直さに少し感心をしていた。
そして、その説明が耳に入ってきながら、作品を見ていたら、その作者(Tomoko)に声をかけられ、少し話をした。ドローイングがいいです、といったことを伝えたら、あまり言われません、でもうれしいです、などと言われたり、ペインティングも作品によっての絵の密度というか、流れに明らかに違いがあったので、みたいなことを聞いたら、製作年代を教えてくれて、その流れで明らかに絵の強さみたいなものが増していたので、そのことを伝えた。仕事以外は、ほとんど絵を描いているという真剣な人には、当たり前だけど、真剣に向き合わないといけないから、汗をたくさんかいた。でも、充実した時間だった。
(2017年の時の記録です。多少の加筆・修正をしています)。